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***Honeyholic***

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スラッシングパンプキン・デスマーチ【R-18】

ハロウィンにもザンクト・マルティンにも間に合いませんでした……


俺がひとしきり飲み歩いて帰宅したのは日付こそ跨ぐ前だが、かなりいい時間であったことは間違いなかった。

今日は暦で言えば、冬の始まり、と。
人工的に気候が操作されている、ここ、イゼルローン要塞でなければそろそろ夜遊びにはコートが欲しくなる頃合いだ。

帰宅すると、玄関こそ施錠してあり(もっとも官舎はオートロックだ)、照明も落としてあったが、ソリヴィジョンはつけっぱなし、テーブルの上にも酒のグラスが飲みさしのまま放置されているわで、挙げ句ソファの上にはブランケットに包まれた物体が鎮座しているという有り様に知らずため息が零れ、頭痛を覚えたものだ。

「おい、リンツ。寝るのならここを片付けてベッドへ行け」
幾分小言染みた声かけをしてブランケットの山を小突いて、照明を煌々とたいてやった。寝汚い奴だが、ここまですれば嫌でも起きるだろうと。

今夜は『聖マルティヌゥスの日』を連隊員たちと祝うのだと聞いていたものだから、そのつもりで夜を過ごしたが、もう少し早く帰宅したほうが良かったのだろうか。
もっとも祝うとは大義名分で、それをネタに酒を飲み騒ぎたいというのが本題だ。
1週間ほど前のハロウィンでも全く同じような事象があったと記憶しているが、祝祭だろうと、誰かの誕生日だろうと、それこそ誰かが恋い焦がれる姫君にこっぴどくフラれるなんてやつでもネタはなんでもいいのだ。
俺たちは常に前線に押し出されてその命を弾薬のごとく消費させられる。
今日酒を酌み交わした隣席のやつが次の機会にもまた同席しているとは限らない。だからこそ俺たちは騒げるときにありったけ騒ぐのだ。
自分にもあった過去だ、つい最近までは。
だが閣下なんぞと呼ばれる御大層な身分になってからは『俺』よりも『ディナール札』のほうが熱烈な歓迎を受けることを悟り、顔をだすこともしなくなった。
ともあれ、リンツは今晩は参加すると聞いていた筈なのだが。


テーブルの上のカラフルというよりも毒々しげな飲料と、肴にしていたのか悪趣味なパッケージのスナック菓子を目にして思わず眉根が寄った。
黒い物体は蜘蛛を象ったグミだろうか、その向こうには缶詰めのソーセージだろうが、見ようによっては人間の指先にも見える。
グラスの中身は恐らくはカクテルかなにかだろう、オレンジとバイオレットのツートンカラーもあまり趣味がよろしいとは言えまい。
さながら一人ハロウィン、いやザンクト・マーティンといったところか……

生まれも育ちも同盟の癖に、帝国の、それもずいぶん古い祝祭を楽しむとはなんとも不思議なやつだ。

そういえば俺もガキの頃には近所のじいさんばあさんの家々を訪ね歩いて軒先で歌を歌って菓子をねだったものだ。
こいつも歌を乞えば菓子をねだるのだろうか、などと間抜けにも突っ立ったまま、そんなことを考えていたら下半身でなにやら不穏な気配がする。

「おい、なにをくだらんことをしている……」

手探りでさわさわと俺の股間のあたりをまさぐって、ついと指先でジッパーを下げてきた。はて、寝ぼけているのだろうかと、まるで意図がわからずそのまま好きにさせていると、今度は俺のペニス引きずり出しにかかったのだ。
行動の意図が理解の範疇を超越しすぎて、あきれるというよりも先に腹の底からクックッと笑いが込み上げてきた。
しかしながら、ぞんざいに扱われていると解っていても、やんわりと寝起きで体温の高い温かな掌に包まれてゆるく圧をかけて弄られれば反応してしまうのは雄の悲しい性だ。
それは勘弁して欲しい。
ただ、この状況に、どうせやるのならもう少しやる気を出してくれと言いたくなるのは俺だけではあるまいよ。

ブランケットの小山からにゅっと白い腕だけを出して、牛の搾乳よろしくペニスを弄んでいるのだ。ことここに及んで寝惚けているなどという考えは捨てている。いい年をした男が一体、どんな面をしてそんな悪戯をしているのだろうか、そちらのほうが余程興味を引く。

「おい、おまえさんはなぁにを企んでいるんだ?」
半ばまでブランケットを剥ぐと、リンツはにやりと笑んで蜥蜴のように真っ青に染まった舌先をペロリと出してみせた。
明らかに悪ふざけの度が過ぎている。
これは割と珍しいことで、彼は今晩少し酒が過ぎているのかも知れないな、そう思った。

「さぁ、くだらん悪戯は終わりの時間だ」
肉の薄い頬を撫で上げて、そう促してやった。
素直に寝るのか、それとも構って欲しいのか、恐らくは後者のほうであろう。俺の希望的観測も込めてそう判断した。
寝る前に片付けさせるのを諦めて、さて如何にしてベッドへ誘うかと思案していると、形勢逆転、引きずり込まれるようにソファに腰掛けさせらた。



「…女のアソコの臭いがする……」

下腹の茂みに顔を埋めるようにしてスンスンと嗅ぎ回っていたリンツが顔を上げてイタズラを見つけた子どもの様な顔をする。どこか得意気にすら見えるのは気のせいだろうか。
だが、それにしてもなんて酷い言い種なのだろう。品がないのもさることながら、しかし俺を詰めているわけではないのはわかる。
露悪趣味とでも言うべきか、彼は口さえ開かなければ、容姿も社会的地位も相まって、それこそ引く手余多であろうに、しばしばこうして相手の興を殺ぐような言動をするのだ。

言うだけ言って、リンツは再びすぼめた唇にイチモツを迎え入れた。チュポックポッと咥内を出入りする音、鼻を通して呼吸をするさいの「ンッ」と抜ける音がいやに耳に響いた。
「……そんなわけあるか、シャワーはちゃんと浴びてきた」
これは嘘だ。今日はバーで飲んでいただけで女とそういうことはしていない。

だが、何ともいたたまれない。香水や化粧の香り、移り香ならともかくも、よりによって女性の陰部の臭いとは。
「んはっ……別に責めちゃいませんよ」
「……そんなことはわかってる」
今、俺がおまえさんとこういう状態に陥っている結果こそがおまえさんには答えなのだろう。過程より結果、虚飾より実を取る男なのだ。カスパー・リンツは。
普段の鋭い面差しをあまく蕩けさせて婬蕩に耽る様は見ているこちらも流石に掻き立てられるものがある。
これに溺れたとしても咎めるような無粋ものも居まいて。

しかしなんとまぁ凝り性なことだ。差し出されたローションはメロンソーダのような黄緑色をしていた。
これは悪戯なのか、ザンクト・マルティンだというのならばこれは悪霊払いだろうか。否、俺たちこそが悪霊であり、この世の厄介者なのだろう。
ならばとことん悪乗りしてやろうと、彼のなんてことない洗いざらしのスウェットに手をかけてずり下ろせば、果たしてまあるい尻が現れた。

布面積など殆ど無いに等しい、下着と言うのも烏滸がましいようなもののクロッチをくるくると指先で捩れば、すぐに慎ましやかな秘処に触れた。

二人分の体重を支える羽目になったソファはギシギシと不満をわめきたてて軋んだが、知ったことかと捨て置いた。
俺の腰骨辺りにしっかと軽くない体重を乗せて、俺の上でリンツが跳ねる。
すこしでも長持ちさせるために泣き所をわざと避けているのだろうが、それも次第にキツくなってきたのだろう。上下のストロークが次第に鈍くなってきたところ、尻たぶを手のひらでピシャリと叩いてやった。空気を少し捲き込んで大袈裟な肉を打つ音がするも痛みの少ないやり方だ。
本来、俺には加虐も被虐もその手の嗜好はない。だがいわばこれはスパイスなのだ、彼をより旨く食すための。
殴打の反射でヒッと短く啼いて、リンツの肢体がビクリと跳ねた。右の目だけを細めて、痛みをこらえるような仕草をするも、それは脳が見せた錯覚だろう。

「そんなぬるいことされてちゃ俺がイケないんだがなぁ」

ハッタリ上等だ。
射精を堪えるためにだろう、リンツがぐぅっと腹に力を入れてくるものだから、締め付けはキツいし、アルコールで上昇した体温がやわらかな粘膜を通してダイレクトに伝わってくるのだ悦くない訳がない。
だが、このまま主導権を握られっぱなしで搾取されるというのは俺の性には合わない。
半ば突き飛ばすようにしてその身体を押し退けるとグポリッと粘ついた音を立てて熱い粘膜の抱擁からぺニスが解放された。
もとより抵抗する気もないリンツの脱力した身体をベッドに荒っぽく横たえ、両手首の関節下に枷のように体重をかけてベッドに磔にしてやった。
別にリンツが逃げ出すなどとは考えていなかったが、悪戯のすぎた悪い部下には躾が必要だ。それも見える形で。

「俺はおまえさんのディルドか?それともバイブレーターか?」

先程まで狂おしい程の熱烈さで熱を食んでいた、まだ泥濘のごとき柔軟さを残すアナルに人差し指と中指を揃えてズプリと埋め込んで、それからくぱりと大きく拓いてやると、ヌチャリと湿った音と、堪らないといった体の熱い吐息が漏れた。
「おい、ゆっくりと5つ数えろ」
それは命令だった。
挿し入れた指を甘く食みながら揺れる下半身がなんともいやらしくて、彼の双眸を覗き込みながら、その存在を知らしめるように胎内に身を沈めた。

「……いち」
切っ先がゆっくりと閉じようとする入り口をこじ開けて、彼の胎内に潜り込む。
「……に」
大きく張り出した傘が粘膜の門をじわじわと拡げていく。
「……さッん」
すっかりと亀頭が飲み込まれると、続けざまに蛇が地を這うようにずりずりと奥へ奥へと進行した。殊更ゆっくりと、存在をわからせるように。
「……ンヒッ!……よんぅッ!」
暫くして最奥、行き止まりのように抵抗を感じた箇所から少し方向を変えつつ腰を進める。
「……ほら、どうした?まだ終わりじゃないぞ?」
とろりとうつろに開かれた緑碧の眦からついっと一筋の涙が伝った。
「……ッグゥ……ごっっ!!」
思いっきり腰を打ち付け、陰茎の根元、鼠径部に彼の尻のむっちりとした肉の感触に触れた。
弓を引き絞るようにギリギリとリンツの背が弓形にしなり、それはそれは美しいと感嘆した。
目もいい眼だ。ブルーグリーンのかっと開いた虹彩の奥にゆらりとほの暗い欲の焔が揺らめいている。

「ッはぁ……なら、俺はッ、あんたのオナホでっ…ンい ぃッ!!」




延髄の辺りからカァッと発熱し眼前が白くスパークした。
あぁ、本当にロクでもない。

冬が始まる。寒くて凍えて仕方ないならマントを半分やろう。
そうすれば夢の中にでも神は現れるだろうか。


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